今回は札幌地下鉄にまつわるミステリーのお話。
先日、こんな記事を発見しました。
◆札幌の地下鉄南北線の不思議…どうして「自衛隊前行」があるの?終点の1つ前で降ろされるのはなぜ?
そういえば、そんな話もありましたね。
私は普段地下鉄を使わないので忘れていましたが、そうなのです。札幌市営地下鉄南北線は、北区の「麻生駅」と南区の「真駒内駅」の間をピストン輸送している地下鉄なのですが、たまーに「真駒内行き」ではなく、1つ前の駅である「自衛隊前行き」の電車があるのです。真駒内に用事がある人が、間違ってそれに乗ってしまうと、1つ前の駅で降ろされてしまいます。
今回はその謎のお話をしたいと思います。
冒頭の写真は昨年秋に撮影した自衛隊前駅の駅前(早口言葉か)の写真です。イチョウ並木がキレイでした。奥に見える建物が地下鉄自衛隊前駅です。ちなみに、地下鉄なのにここは高架駅です(^_^;)
地下鉄南北線の南の終点は真駒内駅
まずは札幌市営地下鉄の路線図を確認しましょう。
すこしわかりにくいのですが(← 路線図を借りてきた上に文句を言うヤツ)、この路線図の中の緑色のラインが南北線です。読み方は「なんぼくせん(NANBOKU-SEN)」ですが、「なんぽくせん(NANPOKU-SEN)」と「ぼ」を半濁点にして発音している人も一定数います。はい。私です。
南北線はこの図の一番上の「麻生(あさぶ)駅」と一番下の「真駒内(まこまない)駅」を結んでおり、ほとんどの車両がこの両駅を行ったり来たりしているだけです。「麻生行き」か「真駒内行き」しか、ほとんど存在していないんですよね。
でも、本当にたまーに「真駒内行き」ではなく「自衛隊前行き」があるのです。今調べたら麻生発の電車が1日に170本あるのですが、そのうち5本が「自衛隊前行き」のようです。これ、レアなので、アナウンスを聞くとビックリします。
「えー、まもなくー、1番ホームにー、自衛隊前行きが到着します」
「はあぇっ?!Σ( ̄□ ̄ノ)ノ」
間違って異世界に召喚されたのかと思った事があります。(?)
理由は車両基地の位置だった
さて、ではなぜこんなことになっているのでしょう?
真駒内まで行こうとして乗ったのに、ひとつ手前を降ろされたら、土地勘のない人だと不安になりますよね。あれ、変なところ来ちゃった?!みたいな。
まずは、周辺の航空写真を見てみましょう。
写真上の自衛隊前駅から真駒内駅まで距離にして1.7km。南北線の中でもっとも駅間が長い区間です。で、よく見ると、その真ん中辺りにトイレの洗剤の容器のような形の白い構造物があります。ピンクの矢印があるところです。
この部分を拡大してみましょう。
大きな構造物ですね。近くの一般住宅が消しゴムのようです。
右隣は養護学校のようですが、その校舎すらも小さく見えます。
はい。この不思議な形の巨大な建物が、実は札幌市営地下鉄の車両基地なのです。
そして、この航空写真を見ると、その車両基地への動線は自衛隊前駅から繋がっていることがわかります。
そうです。
「自衛隊前行き」の電車は、車両基地に帰っていく電車なのです。
種明かししてみると、ミステリーでも異世界的でもありませんね(笑)
なんで真駒内駅側からアクセスできるようにしなかったんだ、と思うのですが、土地の関係とか車両基地の形状の関係とかいろいろあったんでしょうね。
昔は逆向きの「自衛隊前発 麻生行き」という電車もあったようですが、今は始発については真駒内駅で統一されています。なんでだろ? 真駒内駅の方が利用客が多いから? いや、それなら終点も真駒内にするべきですよね。統一がとれてないなあ・・・
ちなみに、地下鉄南北線は、南平岸駅から南側が全て高架駅になっており、その区間は線路も高架になっています。地下鉄なのに!!
で、その高架の部分はすべて屋根(というかシェルター)で覆われているという、めちゃくちゃお金をかけた地下鉄なのです。
このあたりの話はまた別の機会に!